任意整理,個人再生,自己破産,特定調停 債務整理方法を徹底比較

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かつて私は、消費者金融や銀行からの借入が7件、クレジットカードでのリボ払いが2件あり、いわゆる多重債務者となっていました。

毎月の約定返済日に、延滞したことは1度もありませんでしたが、返済する度にATMに向かわねばならず、頭の中はいつも借金のことでいっぱいでした。

それが精神的苦痛となっていたことは確かです。

この苦痛から解放されることを願い、私は法務事務所に直接メールで問い合わせ、実際に法務事務所で、債務整理の中の任意整理を行いました。

現在、借金返済で苦しんでいる方のなかには、債務整理を検討している方もおられるかと思います。

そこで今回は、債務整理の中の任意整理,個人再生,自己破産,特定調停について順番に解説し、それぞれのメリットとデメリットを比較していきたいと思います。

任意整理とは?

まずは、任意整理から解説していきます。

任意整理とは、裁判所を通さず、法律の専門家である司法書士や弁護士が自分の代わりになって、債権者(お金を貸した側)と返済方法や返済額について交渉を行います。

その際、これまでの利息の減額と将来の利息のカットを行い、現在よりも低い金額の支払い月額を目指します。

元金自体は減りませんが、利息を減らすことが出来るため、原則的に、毎月の返済額が減り、負担が軽くなります。

また、高金利の消費者金融から借入がある場合、利息制限法による引き直し計算を行い、過去に払い過ぎている利息を、元本に充当して、借金額を減らします。

引き直し計算による借金の減額後、将来の利息はカットして、分割払いにするという交渉、過払い金や親族の援助で一括返済するので、借金額を減らして欲しいというような交渉を行います。

但し、司法書士に依頼する場合、1社に対して140万円までの交渉しか出来ませんので、自分の借金額が1社につきいくらなのか、把握することが必要です。

この点、弁護士にはこの上限がないのですが、一般的に、司法書士に依頼する方が費用面では安いと言われています。

自分の借金額との兼ね合いで、弁護士と司法書士のどちらに依頼した方が良いのかを考える必要があります。

原則的に任意整理は、約3〜5年での完済を目指します。

また、どの債務を整理するかは、債務者本人の自由ですので、柔軟性が高いと言えます。

例えば、5社から借入している内の3社だけを任意整理の対象にしたりすることも出来ますし、自動車ローンや住宅ローンは、任意整理の対象から外したりすることも可能です。

私の場合は、最初は6社を任意整理の対象にしていたのですが、途中から追加で、3社を任意整理の対象にしました。このように、後から組み入れることも可能です。

任意整理のメリット・デメリット

任意整理のメリットとデメリットは以下の通りです。

〈任意整理のメリット〉

◯裁判所を通さないため、全て法務事務所で手続きが完了します。裁判所への書類提出や裁判所に直接向かわなくていいので、この点はメリットとして挙げることが出来るかと思います。

◯返済日に支払いが遅れた場合は、債権者側からの督促の電話やメールが、頻繁にきますので、これが結構な精神的ストレスになる場合もあり得ます。任意整理の手続きを行うと、この督促の電話やメールが止まるため、毎月の精神的なストレスから解放されます。

◯任意整理ならば、個人再生や自己破産と違い、官報(国が発行している機関誌)に掲載されません。また、家族にも内緒にすることが出来るため、秘密を守ることが出来ます。

◯任意整理ならば、車や家などの財産を守ることが出来ます。

◯将来の利息がカットされるため、借金の返済スピードが速くなります。

〈任意整理のデメリット〉

◯原則的に、借入が今後約5年間出来なくなります。(任意整理中でも中小の消費者金融、いわゆる「街金」から借入出来る場合もあります)

◯自己破産や個人再生に比べて、 借金を減額させる効果が高くありません。(借金自体を帳消しにするわけではない)

◯個人信用情報機関に事故履歴が記載されるため、新規のクレジットカードを発行したり、新たにローンを組むことが困難になります。

◯任意整理後も、携帯電話やスマホの機種変更自体は可能ですが、端末代の分割購入が出来なくなります。(事故情報が抹消されるまで5年程度待つか、機種を一括購入する。もしくは、家族名義で分割払いの契約を行う)

個人再生とは?

次に、個人再生について解説します。

個人再生とは、自己破産を防ぐために、2001年4月から始まった、比較的新しい制度です。

民事再生法により規定された債務者への救済措置であり、サラリーマンや個人事業主などの個人債務者を対象としています。

債務者は、裁判所に申し立てることにより、原則的に、債務額を5分の1に圧縮することが出来ます。但し、債務額が100万円以下の場合、100万円を返済していくことになります。

適用条件は、住宅ローンを除いた債務の総額が5000万円以下であり、尚且つ、将来も継続的に収入を得る見込みがあることです。

個人再生は、自己破産のように全ての借金をゼロにすることは出来ませんが、大幅な借金の圧縮が可能です。また、住宅などの資産を残すことが出来るため、債務者にとってはメリットが多い制度であると思います。

法律の専門家である弁護士や司法書士に、自分の代わりになってもらい、債権者側(お金を貸した側)との交渉や対応を任せることは、任意整理と同じなのですが、異なる点は、裁判所を通す必要があるということです。

そのため、任意整理と比べて手続きが煩雑になりますが、その分裁判所を介しての交渉であるため、任意整理よりも、債権者側と話がまとまる可能性は、高いと言えます。

個人再生のメリット・デメリット

〈個人再生のメリット〉

◯原則的に、借金を5分の1に減額することが出来ます。

◯住宅ローン特則(住宅資金貸付債権に関する特則)により、自分の住宅を残すことが可能です。(但し、住宅ローンは減額されません)

◯自己破産を行った場合、その手続き期間中は、就ける職業に制限が掛かってしまいます。弁護士,税理士,警備員、株式会社の会社役員などです。個人再生の場合は、こういった制限はありません。

〈個人再生のデメリット〉

◯自己破産のように借金を全てゼロにすることは出来ません。

◯全ての債務が対象となるため、任意整理のように、どの債務を対象にするかを、自分で選ぶことが出来ません。

◯個人信用情報機関に、事故履歴が記載されるため、任意整理の時と同じく、新規のクレジットカードを発行したり、新たにローンを組むことが困難になります。

◯官報に住所や氏名が掲載されます。

◯個人再生の制度を利用するためには、債務額が5000万円以下であり、尚且つ、毎月一定の収入を得ていることが条件として定められています。誰でも利用出来るというわけではありませんので、そこは注意が必要です。

◯個人再生は、裁判所に申し立てを行いますので、任意整理と比べると、必要書類が多くなり、手続きが煩雑です。

◯また、裁判所によっては、個人再生委員を選任するところもあります。その場合は、余分な報酬が嵩みます。

自己破産とは?

次に、自己破産について解説していきます。

普段の生活の中で、1番耳にする債務整理方法ではないでしょうか。

自己破産とは、破産申立書を裁判所に提出して、裁判所から免責許可というものをもらい、債務者の全ての借金をゼロにする手続きのことです。

借金の返済が不可能である債務者のための合法的な救済措置であり、最後の砦とも言えます。

申立人(債務者)の収入や借金の総額を裁判所側が考慮し、支払い不可能であると判断した場合に、返済義務が免除されます。

免責許可が裁判所から下りた場合、まず、債務者が所有している資産を換金して、債権者側に充当します。

この際、原則的に、20万円以上の価値がある資産は、全て放棄することになります。

また、自己破産の注意点としては、何でもかんでも裁判所から免責許可が下りるわけではありません。

例えば、ギャンブルで作った借金の場合は、免責不許可事由に該当するため、免責許可が下りません。

自己破産のメリット・デメリット

〈自己破産のメリット〉
◯裁判所から免責許可をもらうと、全ての借金の返済義務が無くなります。

◯最低限生活していけるだけの資産は残すことが可能です。

〈自己破産のデメリット〉
◯原則的に、20万円以上の価値がある資産を、全て放棄することになります。

◯個人信用情報機関に事故履歴が記載されるため、新規のクレジットカードを発行したり、新たなローンを組むことが困難になります。

◯破産の手続きが開始され、免責許可が下りるまでは、就ける職業に制限がかかります。免責許可が下りると、復職することが出来ます。制限のある職業は、以下の通りです。

弁護士,司法書士,税理士,公認会計士,行政書士等のいわゆる士業,古物商,質屋,生命保険外交員,宅地建物取引主任者,警備員です。

◯官報に住所や氏名が記載されます。

特定調停とは?

最後に、特定調停について解説していきます。

特定調停とは、借金の返済に関して、簡易裁判所が仲裁役となり、債権者(お金を貸した側)と債務者(お金を借りた側)の和解を目指す、公的な手続きのひとつです。

返済条件の軽減を働きかけたり、債務者の借金を整理したりして、生活を立て直すことを支援する制度です。

債権者側に今までの取引履歴を開示してもらい、利息制限法の上限金利(15%〜20%)まで金利を引き下げて、借金総額の再計算を行います。(引き直し計算と言います)

これにより、減額した元本を分割で返済していくことになります。

また、簡易裁判所毎に調停基準が異なっているため、任意整理では原則的にカットされる調停成立までの遅延損害金や調停成立後の将来利息を、支払わなければならない場合もあります。

この特定調停を利用することが出来るのは、今後も継続した収入を得る見込みがあり、3年程度で返済可能な借金額の方です。

「特定調停の簡単な流れ」

特定調停はまず、自分で「特定調停申立書」に必要事項を記入し、それを裁判所に提出します。(申立書は裁判所で入手出来ます)

そして、 調停委員の方に調停をお願いする形になりますので、1回目の出廷では、調停委員の方と話し合いを行い、提出書類の内容確認や滞りなく返済出来るかどうかをチェックしてもらいます。

調停委員の方から返済計画の承諾をもらった後、今度は原則的に、調停委員,債権者,債務者の三者が裁判所に集まり、調停内容について協議し、和解を目指します。
(債権者側が出廷してこない場合は、調停委員と債権者が電話でやり取りを行います)

和解の成立後、裁判所から調停の決定事項が書かれた「決定書」が送られてきます。

この決定書は、裁判の判決と同じ効力を有しているため、債務者側に返済義務が生じます。

もし、この書類の調停内容に不備がある場合は、2週間以内であれば異議の申し立てが出来ますので、しっかりと内容をよく読み、不備があるかどうかを確認しましょう。

特定調停のメリット・デメリット

特定調停のメリットとデメリットは以下の通りです。

〈特定調停のメリット〉

◯弁護士や司法書士に任せずに、自分で裁判所への申し立て手続きを行ったり、債権者側と交渉を行っていくため、その分任意整理に比べて、費用が安くなります。

〈特定調停のデメリット〉

◯任意整理の場合は、弁護士や司法書士が自分の代わりとなり、各債権者側と交渉を行ってくれますが、特定調停の場合は原則的に、本人が直接裁判所に赴き、各債権者側と交渉を行います。また、裁判所は平日しか開廷しておらず、その上1ヶ月に1回程度しか行われません。平日に仕事がある人にとっては、これはデメリットとなります。

◯任意整理の場合は、弁護士や司法書士に依頼した直後に、債権者からの取り立てや督促が止まりますが、特定調停の場合は、裁判への申し立て後にストップします。
任意整理に比べて、ストップするスピードが遅くなります。

◯調停調書は、裁判の判決と同じ効力を持つため、もし返済が出来なくなった場合は、給与の差し押さえを強制執行される。

◯過払い金が発生する場合、別途、過払い金請求の手続きを行う必要が生じるため、これが手間となります。

「まとめ」

いかがだったでしょうか。

今回は債務整理の4つの方法について解説し、それぞれのメリットとデメリットを比較してみました。

任意整理以外の3つの方法は、全て裁判所を通した手続きだと、お分かり頂けたかと思います。

債務整理をお考えの方や現在債務整理中である方は、この記事を参考にして頂けましたら幸いです。

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